話す、伝える

誰かの自分語りを聞くのはちょっと疲れます。

それは、語る側が自らの満足感のために話しているから。

 


でも自分の経験を伝えることは大切です。

子どもたちにとって親以外の身近な大人である教師は、いつでも興味の対象です。 

 


プライベートを切り売りする必要はないと思いますが、

自身の経験を語ることで生徒に新たな気づきを与えることもできます。

 


ただ、すぐに言葉の意味を理解してくれるわけではありません。

投げかけた言葉が腑に落ちるのは、明日かもしれないし50年後かもしれない。

いつか彼らが成長したときに「そう言えば、こんなこと話してた先生がいたな」と

思い出してくれれば良いと常々思っています。

 


その時を共に過ごすことはきっとできませんし、私の名前なんて覚えていないかもしれません。

でも私が投げかけた言葉が彼らの思考を揺るがすなら、それで満足です。

 


だからこそ、行き当たりばったりで話すのは控えています。

伝えたい言葉は特に。

何度も推敲して、頭の中で反芻して、自分自身で納得できてから実際に言葉を紡ぎます。

 


そうやって話したことは、不思議と評判がいいものです。

 


「あの話、良かった!」

 


すれ違う生徒にそう声をかけられたとき、心の中ではガッツポーズ。

 


彼らの未来が豊かになるような、言葉の種まきをこれからも続けていきたいと思う今日この頃です。