見守る

秋分の日も過ぎ、すっかり秋の空になりました。

 

私が勤めている学校は、これから大きい行事の連続です。

学年が上がるほど自分たちでできることも増え、教師は見守る場面が多くなります。

 

基本的には子どもたちが考えて、やりたいようにさせますが、内輪ノリになってしまったり、無謀過ぎる計画には方向修正が必要です。

 

でも、この声かけが難しい。

口を出し過ぎると何も考えなくなるし、言わな過ぎても意図が通じない。

結局は様子を見ながら、小出しでアドバイスをしていくカタチに収まります。

 

そして、素直にこちらの話を聴いてくれるかは、普段からの関係性が鍵。

高校生にもなると、進学就職といった大きな選択に迫られます。自分の将来を決める大切な時期だからこそ、担任との相性は良いに越したことはありません。

 

この人なら話せるかも?

 

そう感じてもらうには、子どもたちと同じ目線になることも大切だと思います。

雑談に加わってみたり、一緒に行事の準備をしたり…。そんな時間が、心の壁を取り除くきっかけになるのではないでしょうか。

 

ただし、子どもたちから気さくに声をかけてもらえることを、慕われていると勘違いしてはいけません。それは信頼ではなく、都合のいい人判定を受けている可能性があるからです。

生徒との距離が近くなるほど、生徒の要求は大きくなります。それの全てに応えるのは、得策とは言えません。

 

また、教師と生徒という関係ですが、そこに上下関係はないと思っています。事実、子ども達から教わることもたくさんあります。だからこそ、生徒とは大人同士の関係を築きたいと思うのです。

 

自分は信頼されている、と感じることで生徒の行動にも自信と責任が生まれます。

 

そして、「信じてくれる人がいる」ということが何よりも強い心の支えになるのです。

 

子どもたちの行動を黙って見守るのも楽ではありません。しかし、その眼差しが彼らに「信頼」を感じさせる重要な合図になるはずです。