「生徒のため=自分のため」

教員不足が問題となっている昨今。

 

その原因はさまざまですが、「長時間労働」が圧倒的な不人気の理由のようです。

 

校種や地域などによって違いはあるでしょうから、あくまで私の考えを残しておきます。教師という職業を考えている方の参考になれば・・・。

 

私は教師になると決めてから、ほかの選択肢には目もくれず突き進みました。

大学では同じ教員志望の仲間たちと、理想の教員像を広げながら

気楽に将来を夢想していました。(私の場合はです)

 

そして、それらがいかに幼稚な考えだったのかを思い知ったのは、

教師として働き始めてからです。

 

授業はもちろんですが、それまでに教材研究を済ませ必要な準備を終わらせなければいけません。

加えて分掌の仕事も。初年度は生徒会の担当になっていたので、執行部の活動をサポートし各行事の運営にも携わります。

部活動も運動部顧問となり(これは希望しました)、週末や長期休暇はほぼ練習か試合。

 

当然ですが、先生は生徒が休みの日でも仕事をしているんですよね。

試験の採点や講習、面談などなど。

先輩方のありがたいご指導もいただきつつ、めまぐるしい日々について行くのがやっとでした。

 

現在は時間の使い方にも慣れ、休みの日まで家に仕事を持ち帰ることはなくなりましたが、時期によっては「私、いつ休みだった?」ということも・・・。

本当は休暇をとらなければいけないのですが、平日はクラスのことも気になるのでなかなかお休みはいただけません。(私の気持ちの問題です)

だから、夏休みや冬休みにくっつけて無理矢理消化しています。

 

ただ、この現状は私が選んで決めて良しとしているものです。

 

ごく自然に平日にお休みされる方もいらっしゃるし、

盛んに活動していない部活動の顧問は、長期休暇も生徒とほぼ変わらないくらい休むことができます。

同じ担任でもクラスによって仕事量は異なります。

教科によっても、分掌によっても。

 

正直、隣の芝が青く見えることはあります。

自分で望んだ日々だけど、この差は大きすぎるのでは?

そう思っても今日まで教師を続けてこれたのは、生徒たちがいたからです。

 

学校にいる間は自分の時間なんてありません。

生徒に良かれと思ってしたことも、そのときに理解されないこともあります。

毎日反省の連続だし、理不尽なお説教が加わることもあります。

帰ったら何もしたくないし、せっかくの休日も洗濯と部屋の掃除で終わることも。

 

そんな毎日でも

彼らが笑顔で学校生活を送ってくれるなら。

彼ら自身が思い描いた未来を歩めるなら。

 

すぐには報われないことも多いですが、生き生きと近況報告をしてくれる卒業生に会うと「この子たちを教えることができて良かった」と心から思います。

 

「生徒のため=自分のため」

 

この方程式を成り立たせることが、教師としての第一歩なのではないでしょうか。